<丸新本家醸造元様訪問>
日本に10年に一度の大寒波が襲った1月24日、凍えるような寒さの中、日本醤油発祥の地、湯浅町を訪ねてきました。
最初に訪問したのは、創業明治14年の老舗「丸新本家醸造元」様。
醤油をはじめ、金山寺味噌、天然醸造味噌、つゆ、ポン酢、各種調味料を製造・販売しています。
「醤油については、約100年使用している吉野杉の木樽を含め、大きな木樽で長期熟成させる伝統製法でつくっています。気温の低い冬季に仕込み、ゆっくりと発酵をスタートさせ、春夏秋冬とじっくりと時間をかけて1年半以上熟成させることで、複雑な旨みのある濃厚な醤油になります。効率を上げるために加温したり大量生産はしません。
木樽で仕込み、人の手で大切に手入れしながら作っていることが、湯浅醤油の味と品質を保つ秘訣です。」(丸新本家様のHPより)
―醤油蔵見学―
女性ガイドの方が、湯浅醤油の歴史、製造過程を丁寧にご説明していただきました。
海外からのお客様も含め、年間10万人も訪れるとのことで、コロナ禍の規制が緩和されてきたせいか、当日もアメリカのシアトルからの訪問者がおられ、熱心にガイド様の説明に耳を傾けていました。圧巻なのは、人の背丈以上もある醤油の木樽が「11」もありました。
また、希望者は「櫂入れ」の体験ができます。
―醤油の種類―
生しょうゆ、煮つけ醤油(濃口・淡口)、たまごかけごはん醤油等豊富な種類があります。
“九曜むらさき”という人気の醤油があるのですが、金山寺味噌からわずか3%しか採れない希少な「溜まり」を使用している特徴のある醤油で、この度、九曜むらさきが人気すぎて、この「金山寺味噌たまり」が足りない事態となり、製造を一時お休みして、「溜まり」がたまるのを待ってから製造を再開するということになったとのことです。
―味噌について―
金山寺味噌は、米、大麦、大豆、なす、瓜、生姜、しそが入った自然発酵食品のおかず味噌です。その他、丹波黒豆みそ、あわせみそ等の天然醸造みそがあります。
<丸新本家様のHP参照>https://www.marushinhonke.com/f/marushin
<湯浅伝統的建造物群保存地区>
「丸新本家」様から車で5分くらいのところに、「湯浅伝統的建造物群保存地区」があります。近世から近代にかけて建築された醸造業に関わる町家や土蔵が建ち並び、醤油や金山寺味噌の醸造で栄えた昔ながらの町並みが残っています。面積は約6.3ヘクタールに及び、散策するにもちょうどよいエリアになっています。特徴的な地割と醸造関連の町家や土蔵など、近世から近代にかけての伝統的な建造物が数多く残り、まるでタイムスリップしたかのような不思議な感覚になります。
私たちが訪問した老舗の醤油蔵「角長」様の店舗向かいには、角長醤油資料館があります。
慶応2年(1866年)に建てられた醸造蔵内で昔の醤油醸造に使用された道具を展示する角長職人蔵や、醤油造りのジオラマなどが展示されており、当時の醤油づくりを感じることがきました。
夕刻になり、街中に醤油の香りが漂う保存地区を後にして、和歌山港からフェリーにて徳島へ向かいました。
<一般社団法人 湯浅町観光協会HP参照>https://www.yuasa-kankokyokai.com/article/1172/